みなさま、こんにちは!
愛される塾講師と個人塾をプロデュースするフルオブライフ吉田裕美です。
本日は、親が子に持つ欲求について書きました。
塾講師だったころ、こんなことがありました。
マサル君(仮名)は、中1~2年を部活と遊びに夢中で、勉強せずに過ごしてしまいました。
でも、中3の夏休み前に「ABC高校へ行きたい!」と思い、保護者に相談しました。
初めて、勉強を前向きにすると発言したため保護者は大興奮!
鼻息荒く、入塾面談にやって来たのです。
第一印象は、とっても仲のよさそうな親子。
保護者は、言いました。
「マサルから塾に行きたいなんて、嬉しくて嬉しくて!まぁ、今まで全然、勉強してこなかったから、急にやってもそう簡単にはABC高校へはいけないとはわかっているんです。でも、マサルが頑張るっていうのなら、親としては、できることはしてやりたいんです。」
なんて、優しい保護者なのでしょう。
マサル君も、笑顔で「頑張ります!」と宣言。
そして夏休みが始まったのです。
マサル君は、8月の下旬の引退試合に向けて、ハードな練習をしていましたが、ABC高校合格目指し勉強の手もゆるめません。
マサル君は、ぐんぐん実力をつけたのです。
そして、夏休み明けの模試でかなりいい結果を叩き出したのです!
秋の三者面談の時、
「マサル君、頑張りましたね!これなら、ABC高校も射程圏内に入りますよ!でも、ここからが肝心なんです。周りも頑張りますし、入試は中1範囲からまんべんなく出題されますから、気を緩めずに頑張りましょう!」
と私が言うと、マサル君も嬉しそうに、
「俺、めっちゃ頑張った!きつかったけど、部活も引退したし、ABC高校に行けるようにこれからも頑張るよ!」
と言いました。
しかし、
保護者は…、こういい始めたんです。
「先生ありがとうございます。マサルはよく頑張りました。この子は、結構集中力があるので、こんなに短期間でもすぐに結果を出すことができたんです。今まで、全然勉強しなかったから成績も悪かったけど、ほら、ね?マサル!ちょっと頑張ればできるじゃない!ねぇマサル、私、思うんだけど、ABC高校じゃなくてDEF高校を狙ってもいいんじゃないかと思うんだけどどう?」
…え、ちょっと待って!!
マサル君、ちょっと頑張ったんじゃないですよ?ものすごく頑張ったんです!
マサル君の顔は、みるみる曇ってきました。
「俺、ABC高校に行きたくて、毎日頑張ったんだけど…。」
「でも、あんたちょっと本気出したら、こんなにできるんだから、もったいないよ。」
塾の講師は、生徒たちの能力を適正に見極め伸ばす役割があります。
ですので、もちろん実力があれば、本人に興味があるかどうか、他の高校の名前を出すこともあります。
あくまでやる気を引き出すためです。
でも、生徒がどんな気持ちで、どんなつもりで、受験勉強をしているのもしっかり見極める必要があります。
そして、その生徒の、許容範囲も配慮する必要があります。
模試の結果だけで、こちら側が先走ると、かえって傷つけることになりかねません。
マサル君の場合は、この時点でかなりいっぱいいっぱいでした。
忙しいのによく頑張るな~と感心していました。
毎日毎日、塾で自習するマサル君を、心から応援していました。
最終的に、マサル君はABC高校に進学しました。
最後に保護者が言った言葉はこれでした。
「まぁ、これで良かったです。マサルの実力は、結局ABC高校くらいが、ちょうどいいんですよね。」
(*_*;
…本心ではないかもしれない。
ぶっきらぼうな言い方をしてしまう人なのかもしれない。
親子のことは私にはわからない。
その家のやり方で愛しているなら、いいのかもしれない。
でも、入塾時とは大きく違う保護者の言葉に、何だがモヤモヤしました。
合格したのに、少しがっかりしているように感じたのです。
これに近いことありませんか?
・子供が宿題をやったよ~と言ったら「宿題するのは当たり前でしょ」と言ってしまった。
・10点上がったテストを見て「確かに上がったけど、ん~、平均点はとらないとね。」と言ってしまった。
・頑張って点数を上げた時「ほら~、やったらできるじゃん。いつもやらないから、できないんだよ~。」と言ってしまった。
・子供が数学が好きと言えば「数学者になりなよ!」と言って、子供がサッカー始めたら「サッカー選手目指したら?」と言って、勝手に夢を押し付けたり、先走った発言をしてしまう。
親子だから言いたいことは自由に言い合うのもいいのですが、
親の当たり前と、子供の当たり前と、必ずしも同じではないということ
親のできると、子供のできるは、必ずしも同じではないということ
親のしたいと、子供のしたいは、必ずしも同じではないということ
このあたりを深く理解していなければ、
親の発言は、コントロールかもしれないということです。
どうか、子供が希望通りにならないからといって、がっかりしないでください。
どうか、希望通りにしてほしいと思うことを、手放してください。
最後までお読みいただきありがとうございます(^^♪
親子だって、それぞれ違うよ~
↓これ、親子(笑)
